▲捕獲当初のサクラマス
▲現在のサクラマス
サクラマスとは、サケ目サケ科の一種で、海に下る「降海型」、 湖で生活をする「湖沼型」に分かれ大型化する魚です。 大型化するサクラマスに対し、淡水域で過ごす「河川残留型」のものをヤマメと呼びます。 両種の違いの1つとして挙げられるのは、見た目の差で、サクラマスは全身が銀白色なのに対し、 ヤマメは全身にパーマークと呼ばれる模様が並びます。
今回奥多摩湖で捕獲されたサクラマスは、湖を海と見立てて銀毛化した珍しい個体です。 サクラマスは海に下ったり湖での生活をする過程で体が銀色に変わりますが、 これは海や湖と言う広い環境の中で、自分の存在を目立たなくするための擬態の一種です。 今回、捕獲されたサクラマスは捕獲当時は綺麗な銀白色でしたが、 カワスイに搬入されてから閉塞的な空間及び安全性が担保されていることからヤマメ化が進んでいるとされる非常に珍しい個体です。
奥多摩湖で捕獲された珍しい「サクラマス」がヤマメ化していく貴重な瞬間をぜひご覧ください。
10F多摩川ゾーンでお待ちしています。
展示場所:カワスイ10F多摩川ゾーン No.1水槽 展示内容:サクラマス 1個体
サクラマス(サケ目、サケ科) 学名: Oncorhynchus masou masou 全長:約70cm サケ目サケ科に属する種で、川や海、湖で生活をする魚です。 海に下るものは「降海型」、湖で生活するものは「湖沼型」、川で生活するものは「河川残留型」と分けられますが、 降海型及び湖沼型を「サクラマス」と呼ぶのに対し、河川残留型は「ヤマメ」と呼ばれます。 河川生活期の幼魚および河川残留型(ヤマメ)の体側には7~10個のパーマークが並びます。 幼魚の中で餌が取れない個体が餌を求め海や湖に移動しますが、その際に銀毛化し、 海洋生活期の成魚は擬態のため銀白色へと変化していきます。背部と尾びれに小さな黒点が散在します。
繁殖期になると体が黒ずみ、桜色のまだら模様を呈します。 海に下る際に、海水に適応するため体を変化させます。この過程で体の模様(パーマーク)はなくなり、 表面が銀白色に変化し、体内の器官も変わっていきます。 海は川と比較すると餌が豊富な為、70cm近くまで成長します。 約1年間をかけて海で栄養を蓄えて、産卵のために川に戻ってきます。 川に戻る季節は3月から4月にかけてで、産卵は秋に行うため、その期間は川で身を潜めています。